電波と周波数

電波とは

電気は通常電線等を流れるものですが、雷のようにある条件の下では電気エネルギーは空中を伝搬します。このように空中を伝搬する電気的エネルギーは1種の電波といえます。

【電波法の定義】電波法第2条第1号
電波とは、300万メガヘルツ以下の周波数の電磁波をいう。
電磁波とは

電磁波とは、電気が流れると磁場(磁界)が生じ、磁場が発生し変化すると電場(電界)が生じる(相互に垂直関係で発生)という相関関係(電磁誘導)にあり、これが波動(振動)となり水面に出来る波と同じように伝搬していくものといえます。

※広辞苑では「電磁波とは、電磁場の周期的な変化が波動として伝播するもの。
マクスウェルの電磁理論により光やX線が電磁波にほかならないことが示された。「電磁とは、電気と磁気が相互に伴って作用する意」と記されています。

周波数

周波数とは、電波は波と同じで周期を持って振動しているため、1秒間に何回振動を繰り返したかの数を表すものです。その単位はヘルツ(Hz)で表します。日本で許可されているラジコン用周波数は、27MHz、40MHz、72MHz及び73MHz(産業用ラジコン専用)となっています。

※1秒間1回振動する周波数は、1Hzとなります。

※72MHzは、1秒間に72,000,000回振動する電磁波です。

※電波は、1秒間で3,000,000,000,000回以下の振動する電磁波を言います。

単位
K(キロ)1031,000
M(メガ)1061,000K
G(ギガ)1091,000M
T(テラ)10121,000G
m(ミリ)10-30.001
µ(マイクロ)10-60.001m
n(ナノ)10-90.001µ
p(ピコ)10-120.001n

電波の性質

電波は、光と同じ速度で伝搬します

1秒間で30万キロメートルという速度(真空中及び大気中)で伝搬します。(1秒間に地球7周半)物質により、その速度は変わります。(水中では真空中の約70%)

電波は、直進性・屈折性・回折性を有する

・直進性

電波は光と同じように直進する性質があり、周波数が高いほど直進性は高くなります。

・屈折性

電波は、空中から水に入る場合など境界面で進行方向が曲げられる(屈折)性質があります。(材質により屈折率は相違します。)

・回折性

電波は、周波数が低いほど陰に回り込む(回折)という性質があります。

※電波は、周波数が高くなるほど雨など水滴による影響(減衰)を受ける率が高くなります。

電波は、干渉する

同じ電波が2つの方向からきた場合は、強めあったり弱めあったりする性質があります。

電波は、反射する

電波は建物等に当たった場合は反射する性質を持っています。
全ては反射はせず、材質により透過したり乱反射したり減衰したりすることがあり、その状態や量も変わります。(反射方向は入射角と同じ角度の方向になります。)

電波の波長

1秒間の振動数が周波数であり1秒間に30万キロメートルの速度で伝搬するので1秒間の伝搬距離を周波数で割れば1回の振動の間で進む距離が分かります。
1回の振動で進む距離が波長となります。逆に波長が分かれば周波数が分かります。

λ(波長)= C(秒速:30万km)/f(周波数)

40MHzの波長 λ= 3×108(m/s)/40×106(Hz)= 7.5m
72MHzの波長 λ= 4.166m

※周波数が高いと波長は短く、周波数が低いと波長は長くなることが分かります。

電波の性質

電波(搬送波)はもともと非常に狭く殆ど幅を持たないといってもいいものであるが、無線通信は情報伝達手段であるため、情報を乗せて送信し、元の情報が誤り無く受信され初めてその目的を達成するものです。情報を乗せる(変調)ことは情報量に応じた幅を必要とします。電波は、300万MHz以下の電磁波であり、前述のように周波数帯によりその伝搬特性等性質が相違しています。
無線通信は、電波利用状況に示すように、その電波の特性を有効に活用し、地形や距離及び情報量等に最適な周波数帯を選定し情報伝達を行っています。
電波には上限があり、情報伝達にはその必要な幅を持たなければならないため、利用できる電波の数には限りがある希少な資源と言えます。また、社会経済の発展や技術の進歩に伴い、産業の効率化、生活や文化の向上に電波は必要不可欠なものとなっている現在、国民の貴重な財産と言わざるを得ません。
私たちは、このような希少で貴重な電波を、ホビーとしてのラジコンに利用できることを認識し、ルール・マナーを守り安全かつ適正な運用に努めなければなりません。