シンセサイザ方式プロポ導入

シンセサイザ方式プロポ導入にあたって

シンセサイザ方式は、イベントや大会等におけるバンド調整等利便の向上を図るため、2003年4月、標準規格の改正を行い導入されました。地上用及び水上用の同方式のプロポは、既に市場に投入され、大会・イベント及び日常的運用において、予備クリスタルやバンド変更の際、クリスタルの差替えが不要となりバンド調整が容易に行えるなど、その機能の有用性が運用者に認めれ好評を博しております。しかし、上空用シンセサイザ方式プロポは、電波知識を持たない一部愛好家の運用に関する危惧、及びうっかりミスによる同一波電波発射による混信の不安等の声も聞かれております。皆様から寄せられた声をプロポメーカーに伝えるとともに、より安全性の高い機能の付加に配意したプロポの製作要望を行ってきたところであります。

日本ラジコン電波安全協会では、シンセサイザ方式導入に伴う標準規格改正に際し、安全性の確保を図るため、電波発射前のバンド確認ができる機能及び電波発射中のバンド切替を不可とする機能の付加を条件とする付帯事項を確認しています。

現在、販売されている地上用シンセサイザ方式プロポ及び、近々に投入予定されている上空用シンセサイザ方式プロポは、何れも標準規格に規定する安全機能が付加されており、従来のプロポと同様安心して使用できるものであります。シンセサイザ方式プロポの設定バンドは、クリスタル差替え方式と同様に、最後に運用したバンドが設定されています。

ラジコン運用に際しては、クリスタル方式及びシンセサイザ方式にかかわらず事前に電波モニター、バンド管理盤及びバンドリボンにより使用されているバンドの確認並びに自己プロポの発射バンドの確認は、ラジコン愛好家として基本的な義務であります。

まもなく、上空用シンセサイザ方式プロポが市場に出ると思いますが、新たに購入し運用しようとする方は、これを機会に今一度、ラジコン運用の際の周囲の安全確認と同時にうっかりミスや不法な運用は絶対避けるため、送受信機のバンド確認励行の重要性を再認識され、安全なラジコン運用に心がけて頂きますよう強くお願いいたします。

ラジコン愛好家としての責任と義務であるバンド確認をせず、先発運用者と同一バンドを発射し墜落事故の加害者となるような「うっかりミス」は決して無いよう十分な配意をお願いします。そして、シンセサイザ方式の利便性、有用性を実感し、安全なラジコンライフを楽しんで頂きたいと思います。

日本ラジコン電波安全協会としましては今後とも、電波知識を持たないに対しては、2005年度導入予定のインストラクター制度における初心者への適正な運用指導をはじめ、全てのラジコン愛好家に対し大会やイベント等あらゆる機会を通して、ラジコン用電波に関する適正かつ安全な運用に関する周知啓発に努めていくこととしています。

シンセサイザ方式 (PLL方式)の動作回路

シンセサイザ方式の動作は、基準信号の発振器の出力周波数と電圧制御発振器の周波数を位相比較して差がある場合、位相比較器でその差分の電圧を出力し電圧制御発振器を制御して、その差をなくし希望周波数を生成するものです。
発振周波数→位相比較→電圧制御→発振周波数とループ状に制御するシステム。

シンセサイザ発振回路